【完】TEARS−ティアーズ−



「ううん! で、どこ行くの?」



パッと表情を切り替えたのもわかって。

なんか悪いことしたかな……そう思ったから。



「どこでもいいよ。
乃亜行きたいとこある?」

「え? いいの?」



頷いた俺に満面の笑みを浮かべて。


よかった。

これで、さっきの繋いでた手の事はチャラになったかな。



そんな風に思ったのに。



乃亜の行きたいところに来た瞬間、どこでもいいって言ってしまった俺自身に後悔した。