【完】TEARS−ティアーズ−



背中に変な汗をかきながら、グッと目を瞑って構えていたら、



「こんな女にあげてんじゃねーよ」



そう言い、あっさりと手首を離して行ってしまった。


へ?
気付いて……ない?


覚えてなかったのかな?


一瞬、気付いたように思ったのは気のせい?


でも良かったぁ~!


入っていた肩の力が抜けたのと同時に

『こんな女にあげてんじゃねーよ』

と言われた言葉が頭の中でリピートした。



ううう。
なんで、あたしが“こんな女”なんて言われなきゃダメなのぉー。

やっぱり男の子は意地悪だし、苦手だよ。