【完】TEARS−ティアーズ−



え……。

あああ、これは……。



そのまま固まったようにその男の子を見つめていたあたしは、ハッと我に返った。



なるべく顔を伏せて、気付かれないようにしなきゃ。

勢いよく顔を下に向けた、あたしの首は不自然なくらいの角度。


だけど、そんなことなんて気にしてれないよぉ。



掴まれた手首をソーッと自分の方へと引き寄せる。


少し腕が自分の方へと引き寄せられたところで、再び手首にかかる力。


思わず、伏せていた顔をパッとあげてしまった。

瞬間……目が合ってしまった。


うっわわわ!
最悪だぁっ!


目が合った男の子は、少しだけ目を見開いた。


今、絶対気付いたよねぇ(泣)

朝の事……覚えてるかなぁ?