本当なら遠慮すべきなんだろうけど。
今は、そんなことなんて言ってらんない。
普段は引っ込み思案なあたしだけど“日替わり弁当”だけは絶対に譲れなくて。
南ちゃんにも『乃亜は変なところで頑固だよね』って言われちゃうんだけど。
それでもいいもん。
“日替わり弁当”が食べたいんだもん!
だってこんな奇跡みたいなことなんて普通はないよ。
「それじゃ遠慮なく……」
満面の笑みで、輝く食券へと手を伸ばしたら……
急に伸びてきた手に、ガシッと手首を掴まれた。
へ!?
何!?
あたしの“日替わり弁当”の邪魔をするのは誰ー!!

