【完】TEARS−ティアーズ−



「食べたかったんだよね“日替わり弁当”?」



なんて優しい声が聞こえて。



「俺、別の食べるし。あげるよ」



なんて優しい言葉を言ってくれて。



「だから、どうぞ」



なんて優しい笑顔を向けてくれて。



目の前には差し出された“日替わり弁当”の食券。



この人は……天使?



「いいんですか!?」

「うん、いいよ」

「本当に!?」

「うん、本当に」



そう微笑みがら差し出された食券に、目を輝かせてしまう。


もう天使にしか見えない。

隣で南ちゃんが何か言ってるけど、そんなのはちゃんと聞き取れない。


だって、目の前には


キラキラと輝く食券と。

そして、微笑む天使君。