訳がわからない状況なのに。 強く握られた手にドキドキしてしまってる。 郁君の広い背中にドキドキしてしまってる。 どれくらい走ったかな。 郁君が止まってくれた時には、あたしは息切れしていて。 2人の間には、はぁはぁ。と荒い息遣いだけが響く。 上手く呼吸が出来なくて、言葉が出ない。 聞きたい事はいっぱいあるはずなのに、 何から聞けばいいのかわからなくて。 未だ握られた手を見つめるだけしか出来ない。 チラッと振り返った郁君と目が合って、 ドキッと胸が大きな音をたてた。