そう思ったのに。 関係ないって、そう思ってたのに。 俺の足は走り出していた。 何か考えたわけじゃない。 それどころか何も考えてすらない。 こういうのを本能っていうんだろう。 気付けば、車に乗り込もうとする篠原の腕を掴んでいた。 「え? い、郁君!?」 素っ頓狂な声をあげた篠原は、大きな目を丸くしてて。 「ど、どしたの!?」 久々に俺をちゃんと見た目と。 久々に俺に向けられた声に。 こんな無茶苦茶な状況でも、それを嬉しいと感じてしまう俺が居た。