【完】TEARS−ティアーズ−



「郁も乃亜ちゃん好きなんでしょう?」



そう正宗が言った瞬間、顔がカーッと熱くなるのを感じる。


は?
なんだ、これ。

はぁ??
なんなんだよっ。


どんどん熱を増していく頬。

ドキドキって音が漏れるんじゃないかってなくらいに、大きな音を立てる心臓。


こんな事は初めてで。

俯いて、頭をガシガシと乱暴にかいて誤魔化してみる。


だけど、それはそんな簡単には治まらなくて。

俺はどうしていいかわからない。


なんなの、これ。
なんなの、俺。


正宗の気持ちを知っている俺は、篠原に告白されて困ってたんだっつぅの。

でも、その篠原は高峰と上手くやってるみたいだし?

それを正宗に言うのは止めておくべきかな、そう思ってただけだったのに。



正宗が言った『郁も乃亜ちゃんのこと好きなんでしょう?』って言葉に、何でこんな反応してるわけ?

俺が篠原を好き?

んなこと有り得ねぇ。


あいつは俺の事を好きだとか言いながら、もう他の男みてるし。

しかも、その相手は親が決めた最高の相手。

そこだけ考えれば、何の問題もない。


問題があるとすれば、正宗の気持ちだけで……。


俺は別に……。