【完】TEARS−ティアーズ−



でも何も変わらなくて。

彼女が出来て喜ぶ気持ちなんて全くわからない。

面倒な事が増えただけだった。


そして気付けば、別れてて。


付き合う事の意味も必要性もわからないまま。


だったのに。


篠原に告白されてからの俺は、どうも変で。

いや、篠原に出会ってからの俺が、変で。


わけわかんねぇ。


初めの出会いは強烈。

いきなり転んで現れた。

2回目はまさかの再開。

“日替わり弁当”を食う女。

3回目ははめられて。

遊園地に一緒に行った。


挙句、俺の事を彼氏だとか意味不明な事を言って。

その理由も今時考えれないような事で。


かと思えば、急に告白してきて。


篠原は俺の中にどんどんと踏み込んでくる。


でも、そんな篠原の笑顔にドキッとしてる俺が居て。

ちょっと目逸らされただけでイラッとしてる俺が居る。


今は避けられてる事が気に入らなかった。


だけど、それ以上に……


高峰って男と会っていた事に腹が立って仕方なかったんだ。