「え? なに? なんで?」 口に手を当てて、目線を逸らす郁君。 それは、あきらかに動揺してて。 だけどあたしも何て言っていいかわかんないし、そのまま黙って帰り道を歩く。 空気は凄く重くて。 でも、あたしのドキドキはハンパなくて。 もう無理だって思った。 ドキドキ煩い胸は飛び出しちゃいそうで。 もう何がなんだかわからなくて、つい口にしてしまったんだ。 「郁君!」 思ったより大きく出てしまった声。 「え?」 ゆっくりと振り返る郁君。 「あのっ……あたし……」 「なに? どうした?」