「なんか作るよ」
やったー♪
猫男 好きっ
「悠ちゃん 議員になりたくて法学部入ったの?」
「……え」
黒猫と戯れていた手を止める。
「お父さんが衆議院議員って聞いたけど」
「………。」
なんで知ってるの?
あたしの家の事情……
「あたしはお父さんみたくなりたくない」
「じゃあなんで?」
「弁護士になりたくて法学部に入ったの」
議員なんて汚い仕事になんかつきなくないし
親の敷いたレールの上を走るなんてまっぴら。
あたしはあたしだもん……
てかさぁ
「ねぇ 蒼空君」
「ん?」
台所に立つ蒼空君の後ろ姿に話しかける。
「なんで知ってるの?」
「え……だってここの下宿に入る条件だし」
「何が?」
「ここに入居する子はね少し訳ありなんだよ」
「………。」
「あれ 知らなかった?」
蒼空君が振り返る。
条件?
何それ………
あたしは首を思い切り横に振る。
「要するに普通の家庭の子じゃないの」
「……普通じゃない?」
「俺も伊澄も それからもちろん稀壱もね」
「………。」
一体 どういうこと?



