「ただいまー」
なんてナチュラル
我が家っぽい
そんなことを考えながら魔の楠ヒルズに踏み込む。
細心の注意を払いながら……
「何やってんの?」
「ぅわっ」
突然 声をかけられてひっくり返りそうになる。
「猫……」
「ん?」
じゃなくて
「葉山さん」
「どーも 悠ちゃん」
どう考えても挙動不審で怪しいあたし
机の下とか覗いちゃってます。
そんなあたしに対して笑顔の猫男こと葉山さん
「……監視されてないかなぁーって」
「そういうの大丈夫だよ」
ニコって笑う。
「伊澄がそういうの得意だから」
「………へぇ」
得意?
「蒼空でいいよ」
「へ?」
「゙葉山さん"じゃ息苦しいし」
「……あぁ はい」
さすがに呼び捨てでは呼べないよ……
年上だし
それに 王子サークルを敵に回したくない。
特に安達 遙さん
ここは無難に蒼空様と呼ぼう♪
……なんてね。
「まだみんな帰ってきてないねー」
蒼空君が言う。
「いーたんはドライブしてますよ」
「へぇ……」
「あたし お腹がすきました」
自由人 水瀬 悠



