Desire kiss



「明日の用意しよ…」


頭を支配するのは、勝のことばかり。


何でそんなに勝のこと気にかけなきゃいけないんだろ、馬鹿みたい。

まあ、実際、馬鹿だけど。悩むのはもうやめよう。


「ココ姉」

「んー?」


珍しく、仁は言いずらそうにもじもじとしている。


何だろ、恋愛相談とかかな?家族のなかでは隠し事なしのルールだった。

まあ、秘密くらいあるだろうけどね……何か悲しい。


「花瓶のこと、怒ってる?」


ああ、朝のことか。


「怒ってるよー…ってのは嘘で、もう怒ってないよ。物はいつか壊れるんだから、ね」


ほっと、安心したように笑って仁は「ありがと」と言った。


め、珍しい。

心配になって仁のおでこに洗い終わった後の冷たい手をつける。

「うお!」と過敏に反応。


「うん、熱はないね。よかったあー頭でも打ったの?仁」

「なんだよ、ココ姉!つめてーッ」


いきなりでびっくりしたみたいでおでこに手を当てている。