いろえんぴつ

振り向けばそこに立っている


誰かと言えば


幻であって欲しい人であり


現実であって欲しくもある人だ


そして『好きです』と心の中で何回も告白してきた人


「あ、また固まった。おーい雨宮ー。」


目の前で水田君の手がパチンとはじける音を出す


「あ、え、えーと…あっ!!まだか帰ってなかったんだね。」


部活か追試の人くらいしか残っていない時間帯


帰宅部の水田君は何をしてたんだろう


「……うん、ちょっとね。」


言い淀むってことは、何か言いづらいことなんだろうか


もしかして告られたとか!?


だったら聞きたくないなぁ