「………まねっ……天音!!」 誰かに呼ばれた気がして、現実の世界に引き戻された。 視界は多少ぼやけているが、まださっきよりはいい。 白い壁。 清潔で、少し薬品の匂いが混じった、独特な匂い。 そして、手に触れた、頭の包帯。 「……………びょう………いん……?」 あたしはさっき、誰に頭を殴られて… それで… 「重藤さん?」 一人の看護士さんが真っ黒な封筒を手に歩み寄って来た。