それから、数分がたった。
「アリス? 落ち着いた??」
お母様が少し離れたところから呼びかけてくる。
「落ち着くわけないでしょ?」
私はお母様を睨みつける。
怖がるといいわ。
逃げ出せばいいわ。
みっともない姿を見せればいいわ。
アレンにしてきたことは、こんな事じゃ償いきれない。
「アリス? どうしちゃったの?」
震える声でたずねられる。
「どうしちゃったの? は、こっちのセリフ。親として今、サイテーな事をしたんだよ? わかってるの??」
「だって、悪いのはアレンよ?」
ムカついた。
悪いのはアレン?
アレンは悪者にしようとしたのは、お母様達じゃない!!
許せない。
「ねぇ? 私、この家からでてってもいい?」
お母様が驚く。
「だ、だめよ!」
「なんで?」
「だって、あなたは大切な娘なのよ!!」
「じゃあ、大切な娘の願いを叶えてくれる?」
お母様は頷く。
「じゃあ、アレンに謝って?」
冷たくいいはなった。