陵がそう言うと「面倒くさいって何よー」等と、高谷や西崎が反論して騒いでる。


しかし2人とも無理矢理、陵に連れて行かれ、あっという間に、人混みの中へと姿を消していった。



取り残された俺と浅月は、そんな3人の後ろ姿を見送る様に、ただ立ち尽くしていた…



(…陵のヤツ、気ー利かせてくれるのは嬉しいけど…、 こんないきなりじゃあ、気まずいっての……)



俺が1人で、頭ん中でグルグル考えていると、浅月が俺の服をクイクイっと引っ張る。


服を軽く引っ張られ、俺が浅月の方を振り向くと、彼女は微笑みながら話し掛けてくれた。


「とりあえず、花火見えそうな場所、探さない?」


「…だな。ここにいても仕方ないし…、移動すっか」


そして俺達は、花火が見れそうな場所を探しに歩き出したのだった。