「娶る以上、夫婦(めおと)は共に暮らすのが自然だろう。星乃と暮らせるのならば、多少人間が煩わしいのはこの際目を瞑る」

真摯な表情で、誠実な言葉を、躊躇いもなく口にする流星。

流石は神の使いのオイナリサマ。

発言にも淀みがない。

清らかな清流の如き言葉だ。

「あう…」

それだけで星乃は、軽くメロメロになりつつある。

「で、でも…私達まだ出会ったばかりだし、お互いの事なんて何も知らないし、こういう事はまずお友達から始めて、段階を追って親しくなっていった方が…」

完全にテンパっているのだろうか。

時折車が蛇行して、大きく揺さぶられた。