銀河の流星

「何と…」

流星は言葉を失う。

彼は勝手に勘違いして、地球人が母星を捨ててソラリスに移住してきたと考えていただけなのだ。

「だ、だが、人間どもが俺の弟の昴を殺したという事実には変わりない!やはり俺は人間は許せぬ!」

尚も星乃の攻撃を回避しつつも、その動きは精彩を失い始めていた。

明らかに動揺している。

人間の本性は悪。

そう思い続けてきた己の考えに、綻びが見え始めた為だろう。

「罪もなく、ただ理解を超えた存在というだけで妖怪変化と決め付けられて殺されていった昴の無念、どう晴らしてくれる!」

「だったら」

星乃は振るいかけた拳を止め、ゆっくりと下げる。

「だったら私を殺しなさい」

「な…」

事もなげに言ってのけた星乃の言葉に、流星はまたも絶句する。

「正気か?」

「だって貴方の弟の事は、どうにもしてあげられないもの」

星乃は他意のないニュートラルな表情で呟く。

「どうしても弟の事が気が晴れなくてむしゃくしゃするって言うんなら、仕方がないわ。私が仇の代わりになってあげる。その代わり、もう後腐れ無しよ?ソラリスも傷つけないし、他の人間も殺さないって約束して?」