銀河の流星

男は少し驚いた顔で星乃を見る。

「変わった女だ。助けなかったのに憤らないのだな。普通の人間ならば見殺しにされて激昂するようなものだろうに」

「そんな心配するなら助けてくれればよかったのに」

苦笑いしながら、星乃は身を起こした。

「こんな場所で一人冒険家の真似事してるんだもの。都合が悪くなった時だけ助けを求めるなんて甘い事は考えてないわよ。私も開拓移民の血を引く第三世代だからね」

第三世代。

星乃はこの惑星ソラリスの開拓移民第一陣を祖父に持つ。

この惑星で生まれ、この惑星で育った。

生粋の地球出身者からは『ソラリスノイド』などと呼ばれる事もある。

未開の地だった惑星ソラリスを開拓し、人類が生きていく為の生活基盤を作り上げた逞しき人々。

星乃はそんな第一陣の祖父や両親を誇りに思い、彼らの血を受け継いだが為にバイタリティに溢れ、多少の困難では諦めたりしないポジティブさを持っていた。