銀河の流星

あれ程の高速で飛翔していた流星の動きが、触手に拘束される事で完全に勢いを失った。

抵抗はしているようだが、まるでその戒めから逃げる事は出来ない。

単純な力だけならば星食みの方が遥かに上なのか。

自由を奪われたまま苛まれる姿に、星乃もポーラも目を背ける。

唯一動きを奪われていない四本の銀尾さえも、小刻みに震えながら力なく揺れるだけ。

…敵わないのか。

星乃の瞳から涙が溢れる。

神の代行者たる流星さえも、星の命を吸い尽くす災禍の化身には歯が立たないのか。

自然の脅威の変化(へんげ)のような星食みの前に、人類も流星も、屈する他ないのか…。

そんな星乃の耳に。

「諦めるのか…?」

掠れた流星の声が届いた。

「諦めるのならそこまでだ…立ち上がる事をやめた者に…二度と奇跡は起こらない…生き続ける意思を手放さなかった者は…如何なる絶望からもまた羽ばたけるのだぞ…?」