銀河の流星

いつからそこにいたのか。

こんな所で何をしているのか。

星乃と同じくフリークライミングをしているようには見えないが…。

何にせよ、このタイミングで人と遭遇できたのは実に幸運だ。

「あーちょっと、そこのお兄さん?」

片手で崖っぷちにぶら下がったまま、星乃は銀髪の優男に声をかける。

「ちょおっと私困っちゃっててさ…手を貸してくれたら、街に戻った時にご飯くらい奢るんだけど」

なるべく笑顔を作って、柔和に語りかける星乃。

銀髪の男は無表情に星乃を一瞥し。

「何故俺がお前に手を貸さねばならん」

冷たく言い放った。