「..........は?」


轢かれた?



誰が?



何が起こったんだ?



『.............きゃ、....あぁぁ...!!!!』

『おいっ........誰か倒れてるぞ!!救急車!!』


周りの声が俺を現実へと引き戻す



「...........雪乃...........っ!!?」

俺は急いで倒れている雪乃へと駆け寄る



そこに倒れていたのは頭から血を流して

白のスカートが真っ赤に染まっていた



雪乃が居た

 

「...........雪乃?....雪乃........?.......」

 
反応は無い



何処からかサイレンの音が聞こえる

きっと誰かが救急車を呼んだのだろう



雪乃が目の前で血を流している姿を見ているのに

如何して俺は、色々と整理が付いているんだろう?





何度も何度も雪乃を呼ぶ

返事は返ってこない



「.........雪乃.........?.......」

『君...!!....退きなさい...!!』

「.........雪乃........」

俺は雪乃を強く抱き締め離そうとしなかった



『おい!!誰かこいつを止めるの手伝ってくれ!!』

 





 


騒がしいサイレンだけが俺の体中に響いた