「誰かに、聞いてみる、か...?」
そんな事を呟くと
味気無いバイブ音が響いた
「電話、か」
一呼吸起き
電話を取る
「もしもし?」
『よっ、どうだった?』
いつもの高いトーンの声が機械を通じ聴こえる
「なんだ冬樹か」
そんな声とは別に、俺の声はとても低かった
『なんだってひでぇーな...........』
「で。何?」
何処までも俺の声は冷たくて
『機嫌悪いな........振られたか??』
「..........」
フッタ、オレガ
『..........』
「..........」
『......図星?』
「振った、俺が」
やっぱり俺の声は変わることは無くて
『.............はぁっ!?ふざけんなどういう意味だよ!?』
冬樹がキレた声を出す
俺は糸が切れた様に言葉を吐き出した
「肩に触れようとしたら、雪乃は蹲って耳塞いで泣いた」
『...........』
「俺の前で初めて泣いた」
『...........』
「その時思った.....俺は雪乃に辛い思いを苦しい思いしかあげる事が出来て無いんだなってさ幸せを、あげれてなかったんだって気づくの遅かったんだよ俺じゃ雪乃を幸せにできないってだから.........『誰が決めた?雪乃ちゃんが幸せじゃないって』
俺は息をいれずひたすら話した
だけど、そんな俺の言葉を冬樹は遮った
「.........でも」
『あのな蓮?.....雪乃ちゃんの幸せを決めるのはお前じゃない』
「.............」
『他の誰でもない雪乃ちゃん自身だ、だから、もっかい話してみ?』
冬樹の声も変わることなく、
優しかった
「なにをっ..........!」
『きっと分かるから。雪乃ちゃんの幸せが』
「.............」
『じゃーなっ!』
《話してみ?》
話してみれば、良いのか?
そうすれば、わかるの、か?
