「つーか、さっきお前の妹にヒーローとか何とか言われたんだけど」


「そう。流星は俺とモモのヒーローだし」


「ハァ?何なんだよ、気持ち悪ぃな」


「いや、マジであの時は助かった。流星みたいにいい奴、なかなかいないから」


「別に俺はいい奴なんかじゃない」


「謙虚なところがまたカッコいい~!!」


おどけた口調のヒロヤにうんざりしながらも、内心はホッとしていた。


ようやくヒロヤとのわだかまりが解けたんだ。


花音と一緒にいた理由も説明が付く。


すると、ヒロヤはゴロンとアスファルトの地面に横になると目を瞑った。



「それにしても、花音ちゃんっていい子だよなぁ」


「ハァ?」


「俺、ぶっちゃけるとマジで花音ちゃんに惚れちゃいそうだったもん」


「ふざけんなよ。花音に手出したら、ただじゃおかねぇからな」


ヒロヤの頭を叩くと、ヒロヤは「いってぇ~!!流星マジ鬼だから」と顔を歪める。



「流星はいいなぁ。あんなに可愛くて優しくて一途な女の子に愛されて」


「まぁな」


「でも、たまにはちゃんと自分の気持ち伝えた方がいいって」


「自分の気持ち?」


「そう。『好き』とか『愛してる』とか、自分の正直な気持ちを相手に伝えなきゃ」


「何でそんなことお前に言われなきゃなんねぇんだよ」


「だって花音ちゃん言ってたし。『流星に愛してるって言って欲しいな』って」


「花音がそんなこと言ってたのか?」


俺がそう聞くと、ヒロヤはコクリと頷く。