もしも彼が。


20分後くらいに家のチャイムが鳴る。

私は部屋を飛び出す。


「誰かしら、こんな時間に。」


ママの声がする。


「私が出る!出ないで!」

「み、さき?」


弘樹が顔を覗かせる。

まだ言い合っていたみたい。


ガチャと開いた扉の前には


「魅咲!」


息を切らせている侑摩が立っていた。


「侑摩!」

「わっ…!」


侑摩に思い切り抱きつく。