「私、知多さんがあんなに面白い人だとは思わなかった」


信号が青になるのを待っているとき、わざとらしく両腕を大きく広げて笑いながらかよっぺが言った。



ハマは面白い奴なのだが、顔つきがちょっと怖いということと性格がはっきりしているというところから、ちょっとだけだが周りから敬遠されがちなところがある。


「そっか。

うちの学部ってゼミは三年からだから、まだ会って一ヶ月と半月くらいで入院したからな。

顔はちょっと厳ついし、ちょっと誤解される態度をとることもあるけど、話してみると性格は裏表がなくていい奴だよ」


そう、あいつはいい奴だ。


「考えてみれば、今日が多分三回目なんだよね」


ゼミをサボらずに毎回来ているかよっぺが三回目なのだから、あいつは一ヶ月ちょっとで二回しかゼミに来なかったのか。

四年は就活があるから仕方ないが、そう思うと三年生は少し可哀想だ。

あんなに馬鹿みたいにはしゃいで面白い奴を知らないままなのだから。


「けど、トラさんと仲良くしてたから、良い人だろうなとは思っていたけどね」


さすがにそれは言い過ぎだろう。

その言葉だと、僕はどれだけ良い人なんだよ。


「いやいや、かよっぺが良い人って言うから、きっとハマは良い人だろうなって思うよ」


「こら、こら」


お互いが照れていた。

照れるのなら言わなければいいのに・・・