「夢月!!!!」
肩で息をした蓮さんが倉庫の扉を勢い良く開けた。
あたしと男を見て蓮さんの顔色が変わる。
「………お前……夢月に何しやがった……」
地を這うような低い声で蓮さんは尋ねる。
その血走った瞳で相手を殺せそうな程に…。
「さぁ?何してるように見えるわけ?」
男は指先をペロリと舐めて不敵な笑みを浮かべた。
「………………死ね」
蓮さんは男に向かって拳を振るう。男も蓮さんに拳を向けた。
―ドスッ
「がはっ!!?」
殴られたのは男の方だった。よろけた男にすかさず蹴りを入れる。
「ぐほっ…」
―バタンッ
そのまま男は動かなくなった。


