一番星のキミに恋するほどに切なくて。《旧版》



「まさか…あの冷血男に女がいたなんてなぁ…。こりゃ良いモンみっけ」


男はニヤリと笑い、あたしを肩に抱え上げた。


「い、嫌あぁっ!!!」


バタバタを暴れるあたしを気にする事なくズカズカと狼牙の倉庫内に侵入する。


「蓮さんは!?皆はどこ!?」

「知らねぇのか?狼牙の奴等は今頃俺等、狼爪とドンパチやってるわけよ。んで俺が総長ってわけ」



狼爪……?
族の人…って事……?



「なんで…」

「狼は二人も要らないって事だ」


―ドサッ

「!?」


気付けばさっきまで眠っていたソファーに落とされていた。


「何するの…?」


恐る恐る男を見上げると、男はニヤっと笑いあたしの手首をソファーに押し付けた。


「嫌!!!痛いっ…」


怯えるような瞳を男へ向けると、男は満足げに笑う。