「きゃっ」 「んあ?」 驚いて尻餅をつくあたしを誰かが見下ろしている。 逆光のせいで顔が全然見えない。 「蓮…さん……?」 眩しさで目を細めたままあたしは顔を上げる。 「お前…狼牙の女か?」 ―グイッ 「わっ…」 腕を引っ張ら、無理矢理立たされる。 目の前には知らない男の人の顔があった。 「だ、誰!?」 狼牙の人達じゃない…。 知らない…人……。 恐いよ…蓮さんっ…。