一番星のキミに恋するほどに切なくて。《旧版》

蓮さんは診察室を出ていく。


―パタン


診察室の扉が閉まると同時に、女の人はあたしに笑顔を向けた。


「あたしは早瀬 博美(ハヤセ ヒロミ)よ。これでもレディースの総長やっててね、族関係の患者も見てるの」

「レディース……」


想像できない……。綺麗でどこか品を感じさせる博美さんが暴走族を…。


「ふふっ…以外かしら?それでね、蓮はあたしの弟みたいな奴でね。怪我をしても此処にはあんまり来ないから何かと思ったわ」

「……強がり………」

「本当よねぇ…。ってごめんなさいね。さぁ、診察しましょうか」

「あ……待って下さい」


もう隠せない…。博美さんにはちゃんと言わないと。

「実は…………」


あたしは病気の事、家出した事、蓮さんの家に居候になっている事を話した。