試着室の扉を開けると、壁に寄り掛かる蓮さんがあたしをじっと見つめた。
「どどど、どうでしょう…」
―ゴクン
唾を飲む。蓮さんが選んだ服は可愛いワンピースだった。可愛いし、センスもすごく良いんだけど……。
果たしてあたしに似合うのかな…。期待はしないで下さい。自分に魅力がないのは十分理解してるんだから。
「…悪くない」
「…へっ?」
い、今なんて……?わ、悪くないって……。お世辞でも嬉しいっ。
「…あ、ありがとうっ…。」
ついつい笑みがこぼれてしまう。蓮さんに言われると、なんか自信がついちゃう。
「…これ包装してくれ」
あたしが脱いだ服の山を、お店の人が包装していく。


