一番星のキミに恋するほどに切なくて。《旧版》



「…こっちだ」

「えっ?…わわっ!」


目的地に着き、蓮さんはそそくさとあたしの手を引く。


ここ…何処だろう…。ショッピングモール?


「…入るぞ」

「へっ?…あ、うん!」


迷う事なくレディースショップに入って行った。


レ、レディース?何かすごく周りの人に見られてる。

蓮さんかっこよくて綺麗だもんね…。一緒にいるあたしって……。絶対妹とか思われてるよ。


「…着てこい」

「わっ!?」

ドサッと渡された服の山で前が見えない。


「着てこいって…。これを全て…でしょうか…」

「こっちに試着室がある」

な、流されたっ!?

蓮さんはあたしを試着室の中に押し込んだ。

―パタン


「これは……どんな状況…なのかな…?」


服の山を見つめる。…着ろって事だよね。

とりあえず一番上にあった服に袖を通した。