「…悪かった…夢月っ…」
夢月を自分の上着で包んで抱きしめる。
俺のせいだ………。
こいつを一人にするべきじゃなかった。
「悪かった…くそっ!!!」
―ガンッ
悔しくて壁を殴りつける。腕の中で気を失った夢月の涙を唇ですくった。
「総長…すまねぇっ…」
タケはバッと頭を下げた。他の奴等も同じように頭を下げる。
「夢月さんを守れなかったのは俺等の力不足っす!!
すまねぇっ!!」
何度も何度も頭を下げる。タケも他の奴等も泣いていた。
こいつらにとっても夢月は大切な存在だった。
なのに守れなかったのは自分の弱さだ…。


