...奈緒の親が教師だと知ったのは、つい最近のこと。


なぜか、加地の顔が浮かんだ。


いや、違う。


奈緒の親は加地じゃない。


そう言い聞かせるのに、消えなかった。




「奈緒、加地って言う教師、知らない?」




うーん、と奈緒が考える。


その隣で俺は加地のことを思い返していた。




「今日、お母さんとお父さんに聞いてみるね。」

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次の日、奈緒は走って教室にやってきた。





「直!」