俺たちが付き合い始めてから―

1年。


俺の中では、奈緒との関係が一番長かった。


奈緒はいつも花の香りがして、
隣にいて窮屈じゃなくて、


彼女の目が俺の中身を見据えていてくれているような気がした。


それが心地よかった。




「...なーが美人じゃなかったら、いじめに遭ってたよな。」




立はそう言って笑うけど、
確かにそうだったのかもしれないと思う。


俺が初めて告白を断った事で、
その子は泣いてしまった。


奈緒はしばらくその子のグループから反感を買った。


だけど次第にそれは消えて行った。