い、いよいよ今日が来た。
あたしは緊張しながらもさゆりが選んでくれた服を着て、栞が買ってくれた香水をつけて、翔子と千可が教えてくれたメイクをして今、噴水の前に立っている。
どうしよう。
こんなに緊張してるんだけど。
あたし、病気カモ!?とか思うくらいドキドキいってる。
落ち着かなくてあたしはなんとなく前を向いた。
そしたら―・・・
「先輩!」
先輩が走ってきた。
「遅くなってごめん!待った?」
「い、いえ!」
「・・じゃ行こうか」
先輩は少し頭を掻いた。
・・・もしかして照れてる?
それはないかー。
てか照れてんのはあたしのほうだけどね。
だって・・・先輩の私服姿やばいんだもん!
先輩っぽい!
あたしがキュンキュンしてると先輩が立ち止った。
「先輩?」
「さえ・・」
「はい!」
「俺いろんなこと両立できないんだよね」
「両立?」
「でもそれは同じくらい好きなんだ」
「はい」
「どっちも大事だからさ」
「先輩相当その二つが好きなんですね!」
「その一つはさえだよ」
・・・!
「あ、あ、あたしですか?!」
「俺サッカーも好きだけどさえも好きなんだ」
「は、はい」
「こんな俺だけど・・・一緒に居てくれる?」
「はい!」
どうしよう。
せっかくしてきたメイクも涙でおちちゃうよ。
「俺自分の気持ちにきずくの遅かった」
「・・・先輩」
「ん?」
「あたしは先輩だけが好きです!だからいつか先輩の中であたしが一番になるように頑張ります!」
「俺、さえのそういうところ好きだな」
「えー・・・」
「なんでも一生懸命だよね。」
「そうですかね?」
「うん。俺のタイプ」
「は、恥ずかしいデス・・」
あたしが照れてると噴水が勢いよく出た。
「先輩!?」
「驚いた?ここ噴水の水がけっこう上まで上がるんだよね」
そう今いるのは噴水のど真ん中。
水がけっこうかかる。
でもそれが気持ちい。
「先輩」
「ん?」
「めちゃくちゃ楽しいです!」
あたしは心からの笑顔を向けた。
「さえ」
「はい?」
「・・あとで話したいことあるんだけど」
「話し・・ですか?」
「今でもいいけど場所がちょっと・・」
「じゃああとで聞かせてくださいね」
「おう」