「ま、円香。ごめんねっ」 マキが突然謝り、彼女の手を握る。 「ふぇ?」 変な声が出るのは、まだ舌が痛くて動かせないからだろうか。 「あたしが急に話し掛けて、驚かせりしたから…」 シュルルーンと風船みたいに小さくなっていく彼女に慌てる。 「マ、マキちゃんのせいじゃないですよ」 にへ、と幼い子供のように頬を綻ばせた。そして、やんわり彼女の手を握り返す。 「私が…、ぼんやりしていたので」 淋しさを隠すように、一生懸命口の端を引っ張って、微笑みを浮かべる。