「何でアンタ達にこの子がついていかないといけないのよっ!」
彼女は苛ついた様に声を張り上げた。その反動で、緩く縛った髪の毛がゆるりと震える。
(マキちゃん、不良が相手なのにやっぱりすご…)
そこまで心中で思っていたが、それは止めざるおえなくなった。
「……」
(あれ…?)
先程のマキの真似事をする様に、ぐっと眉を寄せる。
(あれって確か…!)
円香は目を丸くし、マキの背から見えた男の青色のネクタイをまじまじと凝視する。
パッと急いで金髪の方にも視線を移すと、彼もまた青のネクタイをしていた。
(…ぶつかった時は気付きませんでした)
キュッと小さな唇を結ぶ。
あの時は、ただただ早く去ってほしいことばかり考えていたから、ネクタイまで目がいってなかったのだ。


