「円香…」


心配げに眉を寄せる彼女にさえ、円香は気付かない。


(…何で、どうして)


不良がいるのですか。


マキはそっと少女の手を握り、入学式始まるから、と体育館へと向かい歩きだす。

円香は無言で引っ張られるかたちでマキについていった。