曲がり角を曲がろうとした時、ドンッと何かにぶつかった音とともに、円香は尻餅をついた。


「いったた…」

「……ってぇな」


高い自身の声とは別の、低めの声が彼女の耳に届く。
どうやらぶつかったのは、男だったようだ。

円香は立ち上がり、謝ろうと相手の顔を目にした瞬間、さっと血の気が引いた。

背が高く、端正な顔立ちだが目付きが悪く、指に何個も指輪をはめ、制服を着崩している。


そして何より目をひくのは髪。

彼の髪の毛は、金色をしていた。


そう円香は、大嫌いな不良にぶつかってしまったのだ。