「何、読んでるの?」

 いつも、君はそうやって話しかける。
 期待していた。本を読んでいたら、話しかけて貰えるって。


 君に好意を抱いて1ヶ月。
 本から内気な性格ではない自分は、教室内の、吹奏楽部のことよく会話するようになった。

 必然的に、彼は話しかけてこなくなった。

 そのことにはすごく落ち込んだ。
 だけれど、もう、本を読むのは家の中だけでいい。

 ……本を読むフリは、つまらないから。
 彼女たちと会話することは、あらかじめ決まっている。

 ひとつは音楽。ひとつは人気アーティスト。そしてもうひとつは、恋愛系。
 彼女たちと会話をして、いろいろと気づいた。


 待っていてはだめ。期待してはだめ。自分から行動すること。
 それでも自分は動かなった。


 ……怖かったんだと思う。