he in love with me?

 キッチンに甘い匂いが漂う。窓からは赤い光が射していた。
 山のように重なった、いろいろな形のクッキーを見て、ほほが緩んだ。
 ひとつ食べてみる。うん、悪くないはず。

 少し焦げた気もするけれど、見た目はそうでもないし、味も食べれないわけじゃない。
 口の中に残った、ちょっと苦めのチョコチップを飲み込んだ。

 一つずつ丁寧に袋に入れる。大き目のラッピングだったので、一人に沢山入れた。
 上げる相手もそれほど多くないから、一人に5枚でも沢山余った。
 ラッピング全部使い切って、包装されたクッキーを見る。急にどっと疲れが襲ってきた。
 冷蔵庫にクッキーを入れる。そしてそのままふらふらと自室のベッドへ向かい、体の傾くままに、倒れた。

 ふわりと優しく襲ってくる睡魔に、10分だけと言い訳して、片付けもしないで眠った。