ニヤニヤと何かを企んだような顔を向けてくる


『っ…別に そんなんじゃねぇ!』

『恋! これは恋の始まりですのね~!』

『だから そんなんじゃねぇって言ってんだろ!』

『まぁ まぁ 半ば本気の冗談もこの辺にして 本題に入りますわよっ★』


桜からある程度の楠木湊の事について教えてもらった


華岡学園高等部2ーC 楠木 湊 本業は学生だが その持ち前のルックスから モデルや俳優として 世間に名を轟かせているらしい
華岡学園では ファンクラブがあるほどの人気者らしい


『柚希ちゃん それだけ有名な方ですのに今の今まで知りませんでしたの?』

呆れたような桜のめが胸に刺さる…


『ば ばか それくらい知ってたし』

『素直じゃありませんのね(笑)』

『ふんッ』


『でも 柚希ちゃん気をつけて下さい…ですの…』



『どうして?』


『柚希ちゃんには解らないかもしれないけど…湊君には大勢のファンがいますの…勿論私達の華岡学園にも』


『それがどうした?』


『だから 湊君が誰か一人を愛すれば みんな その一人を妬みますの!それから起こる醜い争いでまた柚希ちゃんが傷つきそうで怖いんですの!』


とても 真面目で 今にも泣き出してしまいそうな顔で必死に訴えてくる


『…大丈夫だって おれには一番信頼を寄せているお前がいる だから 何かされたらお前を頼るよ』



『はいですのっ! いつでも頼って下さいですの!』

桜らしい満面の笑みだ







翌日


『… ところで柚希ちゃん 湊君にはなんとお返事いたしますの?』


朝食の牛乳を飲んでる最中に言われたものだから思いっきり吹き出してしまった

おれと桜は同じ寮のルームメイトだ

『(クスクス)まぁ 随分取り乱してますのね(笑)』

桜が笑いながらこぼれた牛乳を拭いてくれる


『お前がいきなり変なこと聞くからだろ……一応断る』


『と言うことはもしかしたらっというケースもありますのね!』

いつものことだがイタズラっぽく言ってくる

『それは絶対ねぇ!』

『フフフっ 素直じゃありませんのね(笑)』


『…早く学校行くぞッ』


自分の顔が熱くなってるのが分かる


(これからおれ どうなんだろ…)