…
「ついた。」
「ここって...」
「英李、空見て。」
そう言われて
夜空を見上げてみると、
空には
キラキラ輝く星が
たくさん見えた。
「すごい綺麗...」
「だろ?
英李に見せたかったんだ。」
暗くて
恭夜の顔は
よく見えないけど
声からして
楽しそうだから
多分今恭夜は
笑顔なんだろうな...
滅多に見れない
恭夜の笑顔、
見たかったな...。
「...英李
今どんな顔してる?」
「え?」
「暗いから、
お前の顔が見えない。
もっと近くに来て。」
ぐいっ
「ゎ...!」
腕を引き寄せられて、
恭夜の胸に激突してしまった。
「英李...
まだ顔がよく見えない。
もっと近くに来て..?」
今度は
抱きしめられてしまった。
どうしよう、
ドキドキしてんのが
バレちゃう...!
「...何かさ、
もう無理なんだけど。」
え?
「なにが...」
「お前と聡が
一緒に居るとこ見るの。
正直つらい。」
暗闇でもわかった。
恭夜が
悲しい顔をしているのが。
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