「先生は新人さん?」 名前を知らない。多分この人も私のこと知らない。 「新人ではないかな…ずっと小学生担任してたよ」 中学生は部活をやってる人に考慮して比較的遅い時間に授業をする。 だから先生が私の授業をすることはなかったのか。 「じゃあ私のこと知らないですよね?」 「知ってるよ。伊藤さん、でしょ?」 私のありふれた苗字。 知ってたんだ… 「なんで?」 「だって伊藤さん、声大きいもん」