こんなことなら、初Hなんてしなければよかった。。。



むなしさと悲しさでどうしょうもなくて、

家族に分からないように、声を押し殺して、泣き続けた。



携帯もすぐ削除したけど、まだ、貴方の番号覚えてる・・・

あなたのにおい、髪、腕、抱かれた体が忘れられないの。すごく優しかったのに・・・



映画を見ようと言った事も、明日家まで向かえに来てくれるって言った事もハワイも、

すべての約束が全部ウソになってしまう・・・二人は終わってしまったのだから。




そのまま疲れて眠りについて、

目覚めた朝は、絶望感に襲われた。





無気力のまま満員電車に乗り込み、改札を出た。



「ふ・み・か~」


後ろから理恵の声がして軽く背中をたたかれる。


「ねっ、昨日のデートどうだった??」


「・・・」





「文香・・・なんかあったか?」


最初に文香の異変に気づいたのは、良太だった。



「文香どうかしたの?」


「・・・私ね。ふられたんだ。」


「えっ??どうして?あんなにラブラブだったじゃない!?」



「彼、他に本命の彼女がいたの。初Hだけ捧げて、捨てられっちゃたんだ・・・。」


「・・・どういうこと??そんなの許せない・・・」


苦しかったけど、なぜかもう泣けなかった。

理恵が色々なぐさめてくれていたけれど、何も聞こえない・・・



良太は・・・何も言ってくれなかった。