春が来て、文香達は三年生になった。



理恵とクラスが離れたけれど、良太とは相変わらず同じクラス・・・


文香は最近、親友二人と、少し距離を置くようになっていた。あからさまに分かるような距離でないけど、帰り道、や休み時間など二人にしてあげたほうがいいかな。と思う時だけ、気を使って自分から離れていった。


なんだか一人で居る事が前より、多くなったな・・・


時々、心細く思ったけれど、今年は受験も控えていたし、あまり気にしないようにした。




「おまえ、なんだか最近つれないよな・・・」


自習中、隣の席の良太に言われた。




「何、言ってんのよ。気ィ使ってあげてんでしょ。」


「何に気ィつかうんだよ」


「愛する二人の仲はじゃまできないの!」




「・・・やめろよ。そんなんで気ィ使うの。お前が離れていったら、淋しいだろ。」


「・・・」



「おまえさ、中村先輩とつきあって、どうなの?」


「どうって?」


「幸せか?」


「そりゃ、居ない時より、幸せだよ。」


「そっか。」


「そうだよ。」


「でも、俺はあんまり、賛成できないけどな。なんか遊んでそうだし。あの人。」