上に姉がひとり、下に妹が一人、五人家族の我が家ではわからなかったが、ヴァレンタインデイなる、とあるひとの命日に、チョコを作ってばらまくのは女だけだと思っていた。年頃になるまで。 ところがある日、学校帰りの道なりで、いきなりこの幼馴染にとっつかまり、迫られて、今まで信じていた物が淡い夢であることを知った。