「げっ!!!これは無理! まって!降りる!」 「やだ。待たない。」 校門を出ると、そこに待ち構えていたのは長い坂。 三谷くんが何のためらいもなく、坂に向かっていくので慌てて訴えるが、三谷君はそのまま坂を一気に下りはじめた。 奈緒の顔は真っ青だが、三谷君には見えない。 「きゃあああーーーっ」 怖くて思わず三谷君にぎゅっとつかまって目をつぶる。